キミだけはずっと傍にいて。

「ううん、そんなんじゃないよっ。外を散歩してたら偶然ここにたどり着いたの。」


「……そう。」


南くんはそれだけ言うと、それっきり黙ってしまった。


うっ…

なんか気まずい……


「あ、あの…南くん。隣に座ってもよろしいでしょうかっ…」


わたしの妙にかしこまった言い方に、南くんはプッと笑った。


……っ!

わ、笑った……


わたしはその顔に思わずドキッとしてしまった。


南くんは普段も綺麗だけど、笑ったその顔はそれ以上に綺麗だと思った。


わたしの思い込みかもしれないけど、少しだけ南くんに近づけたような気がして嬉しい。


「あんたってほんとに変わってるね。別に僕のものじゃないんだから、僕の許可取る必要ないと思うけど。」
< 41 / 296 >

この作品をシェア

pagetop