キミだけはずっと傍にいて。

*冬舞side*


一週間前。


晴希さんから転校生の女子が新しく特別寮のメイドになると聞いたとき。


どうでもいいというのが半分。

めんどくさいというのが半分。


「……そう。でも、僕には関係ないから。」


「関係ないって…お前なあ…。突然のメイドの話を引き受けてくれた上に、これから一緒に暮らすんだから、ちゃんとあいさつくらいしろよ。」


晴希さんはそんなことを言っていたけど、正直関わるつもりは欠片もなかった。


元々僕は、人と関わるのが好きじゃない。

いや、嫌いだ。


しかも女なんかは、僕の顔が好きなのかなんなのか知らないけど、勝手に好きとかかっこいいとかキャアキャア言うし、付き纏ってくるし…


挙げ句の果てには、誰が付けたのか知らないけど、“無気力王子”なんてダサイあだ名が一部でつけられていた。
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