キミだけはずっと傍にいて。

「ご、ごめんなさい…!今どきますから…!」


僕は机の中からプリントを取り出すと、女の方をじっと見つめる。


目の前のこの女は、いつも僕のことを見てキャアキャア言う女たちとはどこか違うような気がしたからだ。


すると、女は居心地が悪くなったのか、おどおどしながら話し始めた。


「あ、あの…さっきはごめんなさいっ…。わたし、あなたの席だって知らなくて…えっと…」


「キミ、見ない顔だね?っていうか、もしかして僕の追いかけ?」


おどおどしている女に追い討ちをかけるように質問を投げかける。


案の定、僕の質問にさらに戸惑っている女。




この後柳川が来て、僕の追いかけではなく転校生で特別寮のメイドをやる女だと分かった。


だけど、僕の席に座っていたこともあって、ゆうなに対する第一印象はあまり良くなかった。
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