キミだけはずっと傍にいて。

冬舞くんのことはバレても、一応大丈夫だけど、特別寮のメイドのことはいくら美優ちゃんと汐音ちゃんでもバレるわけにはいかない。


美優ちゃんに今日はダメなのかって聞かれたとき、内心かなり焦った。


実は今日は、特別寮のみんなでたこ焼きパーティーをすることになっているんだ。


わたしはその準備のため、学校が終わったらすぐに帰って来てほしいと晴希さんに言われている。


だけど、その事実は言えないので、とっさに嘘をつくしかなかった。


ごめんね、美優ちゃん、汐音ちゃん…


わたしは心の中で二人に謝って、いつもの場所へ足を運んだ。


すると、冬舞くんはいつものようにベンチに座って栄養ゼリーを食べていた。




「……冬舞くんっ!」


冬舞くんの姿を確認したわたしは、一気に頬が緩み、冬舞くんの元へ駆け出した。
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