キミだけはずっと傍にいて。

****


「ねえ、あんた。何してるの?」


たこ焼きパーティーの準備をしていたわたしに声をかけてきたのは弥くんだった。


月見山 弥 (やまなし わたる) くん。


わたしの一つ下で、特別寮では唯一の一年生。


初期の冬舞くんにちょっと似ていて、少しツンツンしていて無愛想なところもあるけど、そこがまた可愛らしい。


「弥くん。今日はね、たこ焼きパーティーだよ。」


「…たこ焼きパーティー?何それ。」


わたしの言葉にまるで変なものを見るかのような目で見てくる。


まあそうなるよね…


みんなみたいなセレブな家庭は、たこ焼きパーティーなんてやらないだろうし…


「たこ焼きパーティーっていうのはね、みんなで一緒にたこ焼きを作って食べるの。」
< 62 / 296 >

この作品をシェア

pagetop