キミだけはずっと傍にいて。
「あのね、冬舞くんと出会ったのは……」
わたしは目を瞑って、この学園に来てからのことを思い返してみる。
そう、冬舞くんと初めて出会ったのは、学園に来たその日。
放課後、教室を見学しに行って、どこでもいいからって適当な席に座ったら、そこが冬舞くんの席で。
冬舞くんには、そこ、僕の席なんだけどって言われた。
今はすごく優しくてどことなく甘いけど、その時はすごく無愛想で、冷たい印象も受けた。
柳川くんの代わりに校舎案内もしてくれたりしたけど、言葉にはやっぱり少しトゲがあって。
だけど、転校初日。
昼休みに学園の敷地内を散歩していたら、裏庭でたまたま冬舞くんに会って。
少し会話を交わすうちに、わたしに初めて笑ってくれた。