キミだけはずっと傍にいて。

『……あれは俺たちが5歳の時。ゆうなと二人で公園に遊びに行こうとしてたんだ。でもその途中、俺より少し先をスキップしてたゆうなに向かって、車が……』


弱々しい声で話す柳川の目からは、一筋の涙が…


『…それ以上言わなくていい。』


柳川はいつも明るくて、誰に対しても笑顔で…


そんな柳川がこんなものを抱えていたなんて……




『……冬舞。』

『……なに?』

『お願いがあるんだ……』

『…お願い?』


『…ああ。ゆうなの傍にいてあげてほしいんだ…。ゆうなは事故から目が覚めて以来、俺と俺の家族の記憶がなくなったんだ…』


え……


でもそういえば、ゆうなは柳川と会っても、初対面のような反応だった…
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