キミだけはずっと傍にいて。

…柳川。


君にはほんと敵わないよ……


知り合って、友達になって四年も経つ。


絶対に友達を作らないと決めた日から初めてできた友達。


それなのに、柳川には未だに何も話せていない。


怖いんだ…


それでも柳川はなにも言わずに傍にいてくれた。


『きっと、俺に言えなくても、ゆうなには言えるんじゃないかって俺は思う。ゆうなは、冬舞のこと、何があっても受け入れて傍にいてくれるはず。ゆうなはそういう子だから。だから、反対に冬舞にもゆうなに寄り添ってあげてほしいんだ…』


『…うん。僕もゆうなにはいつか話そうと思ってた。それに、言われなくても傍にいるつもり。だけど……柳川はそれでいいの?』


柳川がゆうなのことを、どういう風に見ているかは分からない。




だけど…ゆうなのことを語る柳川の瞳は、今までにないくらい優しかった。


< 89 / 296 >

この作品をシェア

pagetop