幼馴染との正しい距離感2
「!」


そんな事を考えてしまっていると
不意に背後から誰かに抱き締められて


びくりと身を竦める


だけど、それはほんの一瞬



すぐにその抱き締め方と匂いで
その相手が誰か分かって

ふっと身体から力が抜ける



「……こーくん」


振り返れば
そこにはとても嬉しそうに笑うこーくんがいる


「…いつからいた?」

「途中から」



「ありがとう」

「?」

「「物」じゃないって言ってくれて」



……どうして
そんなに嬉しそうなんだろう?


そんなの当たり前の事なのに



「こーくんはこーくんだもん」


答えれば一層深まる笑み
私を抱き締める腕にも力が入る



「やっぱり
つむぎちゃんは僕のヒーローだね」



小さな子のような無邪気な笑顔を前に
さっきまでの緊張はすっかり溶けて


同じように私はこーくんに笑顔を返した
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