幼馴染との正しい距離感2
「………一番好きなのは、特別なのは
こーくんだけ」

「ああ、分かってる」

「でも…
すーちゃんだって好きだよ」



「同じような「好き」は返せないけど
昔も今もずっと、大事で、大切な幼馴染だよ」


痛む胸を押さえながら
それでも必死に言葉を紡ぐ


「好きになってくれて、ありがとう
応えられなくて、ごめんなさい」


最初にすーちゃんがそうしたように
私もすーちゃんに頭を下げて

それから、しっかり
すーちゃんの顔を見る


ほんの少し寂しそうな
でも、どこかすっきりしたような表情



「…ちゃんと聞いて
振ってくれて、ありがとな」
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