幼馴染との正しい距離感2
そこで、ようやく
すーちゃんとの間に流れる空気が
ふっと軽くなった


周囲の賑やかな声や音が耳に戻ってくる



……よしっ



「じゃあ、保健室行こう!」

「大丈夫だって」

「だめだよ。と言うか、どうしたのそれ」



心の中で
気持ちを切り換えるように、ひとり頷いて
再び、すーちゃんの手を取り歩きだす

今度はすーちゃんに拒まれても聞かず
そのまま歩き続ける

言っても聞かないと悟ったすーちゃんは
観念したように、私の先導に従った


「倖にやられた」

「えぇ?!」


返ってきた言葉に、目を見張り
勢いよく振り返る

慌てる私を見て
すーちゃんは、おかしそうに笑った


「いいんだ
自業自得だし」

「そういう問題じゃないよ!」
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