幼馴染との正しい距離感2
『俺は、あの子のものだから』


『つむぎ以外のものにはならない』



あの時
すーちゃんから聞いた、こーくんの言葉が
ずっと頭から離れない


私になら『物』扱いされようと構わない

それはきっと
こーくんの本心なんだと思う

それくらい、強い想いを
こーくんは私に向けてくれてる


でも


こーくんを
『者』扱いすることはあっても
『物』扱いは絶対にしない


こーくんは
私の『恋人』であって、『所有物』じゃないから




「こーくん、大好き」


隠しきれない愛しさが笑顔になって現れる

甘えるようにその胸に顔を埋めれば
こーくんの体がぴくりと反応する


「………今、言う?」

「?」

「つむぎちゃん、状況分かってる?
今、ふたりきりなんだけど」

「?うん」

「この間から色々あって
で、今、そんな顔で
そんなかわいいことされて」



「……俺、今、結構余裕ないんだけど?」



………色々…


大体、すーちゃん絡みの出来事を指しているんだろうけど

変にぼかすような言い方と
頬をわずかに染めるこーくんを見て
他に思い浮かべたのは




『……こーくん……もっと』



いつもじゃ考えられないくらい
積極的にこーくんを求めた数日前の自分



「!!!」



瞬く間に真っ赤になって、固まる私
こーくんは少し意地悪な笑顔を向ける
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