幼馴染との正しい距離感2
でも、それを嫌がるかのように
こーくんが私の手を掴んで


「………もっと…」

「え?」

「……もっと、撫でて……」


眠たそうにしながらも
甘えるような声で催促してくるこーくん


……。
…………か、かわいい…っ


そのかわいらしい姿に
心の中で悶絶しながらも
言われた通りに
またこーくんの頭を撫でれば
こーくんは気持ち良さそうに、ふにゃりと表情を崩した



……なんか
いつも甘やかしてもらってばかりだから
こういうの新鮮


「…」


よっぽど気持ち良いのか
こーくんはまた夢の中へ向かおうとしてる


……。
……今なら…こーくん、寝ぼけてるし……


こーくんの頭を撫でる手を止めて
ほんの少し身を屈めて


ちゅっと


私はこーくんの唇にキスをした



「…」



閉じかけていた目が開いて
不思議そうに私を見る


まだ覚醒してない様子のこーくん
こーくんの脳の情報処理が追い付いてないのをいいことに
私はもう一度
こーくんの唇に自分の唇を重ねた



「こーくん、大好き」



そう言って、笑いかければ




……



……



……




「…………ああ、夢か……」



しばらく無言で私を見つめていたこーくんは
納得したように、そう呟くと


むくりと起き上がって
私をベッドの上に押し倒した
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