幼馴染との正しい距離感2
「へ…っ?」

「……夢なら、いいよね?」


突然の事に、ぽかんと固まる私に
確かめるように言いながらも
こーくんが返事を待つ気配はない


「こ、こーくん…?あ、あの…」


動揺する私の耳元で
こーくんは色気のある声で囁いた


「……つむぎをちょうだい」

「こ……ひゃっ!?」


耳たぶに走った甘い刺激に、変な声が出た


「こーくん…!?ま、待って…っ」

「やだ」

「こ、これ、夢じゃな…っ
あと……み、耳は、やっ、く、くすぐった…!」

「つむぎ、耳弱いの?かわいい」

「や、やだやだ…っ
こーくん、噛まないでっ」


涙目になりながら
必死にこーくんに訴えるも

私のその反応が
かえって、こーくんの嗜虐(しぎゃく)心を煽ってしまったようで

意地悪な笑みを浮かべながら
こーくんは甘噛みを続ける
< 85 / 90 >

この作品をシェア

pagetop