幼馴染との正しい距離感2
こーくんの吐息が耳にかかる度に
ぞわぞわとした感覚が身体に走る


「~~~~っ!」


抗議を受け入れてもらえないのを悟った私は、その猛攻にひたすら耐える


それがしばらく続いて
ようやく解放されたかと思えば

今度は唇を塞がれて



「……ふ…っ」



息つく間もなく
何度も何度も、繰り返し唇が触れる


段々、深くなっていく口づけ
連動するように意識がぼんやりしてくる



「っ、ん…」


まどろみをたゆたうような気持ち良さに
抵抗する気もなくなっていって



すっかり全身から力が抜けてしまった私を見て




「……もっと」



唇を離したこーくんが
少しかすれた低い声で呟く



「もっと、つむぎが欲しい」



熱に浮かされたかのように揺れる瞳


射貫かれたように、身体が熱くなる



「………こーくん」



冷静な判断もできないまま
ただ、流されるまま
受け入れそうになった



その時
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