幼馴染との正しい距離感2
「………すみませんでした」

「い、いいよ
それより、大丈夫?ほっぺた」

「すごく痛い…」

「ういちゃん、かなり混乱してたから…」


力の加減も出来なかったんだろうな…


衝撃的な現場に出くわして
取り乱してしまったういちゃんを
なんとか落ち着かせて、家へ返した後

ういちゃんの見事な平手打ちで
完全に目が覚めた様子のこーくんは
深々と私に土下座した


持ってきた保冷剤をこーくんのほっぺたに当てながら
痛みに眉をしかめるこーくんに苦笑を向ける



「いや…まあ、事実
襲い掛かってたわけだから
自業自得だよ」


こーくんは自分の行いを猛省しているようで
ういちゃんに対しての恨み言はなかった

天罰とばかりに受け入れてる


「でも、寝ぼけてる時に
つむぎちゃんが、かわいいことするのも悪いんだよ?」


添えていた手に、こーくんの左手が重なる


「夢かと思って、理性飛んじゃった」


妖艶に笑うこーくん


ぶわりと顔に熱が集まる


「だ、だって…
起きてる時は恥ずかしいから…」

「じゃあ、慣れるまで練習する?」


羞恥で身を縮こませる私を
愛おしそうに見つめて

こーくんは笑いながら
そんな風におどけて
自分の唇に人差し指を置く
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