幼馴染との正しい距離感2
「…」

「なーんて」

「…………する」

「…え?」

「……練習、する」


真っ赤な顔のまま、もう一度言えば
ぽかんとしていたこーくんは
びっくりしたように目を見開いた


「……するの?」


小さく頷く


貰うはかりじゃなくて
自分からも、与えられるようになりたい


言葉でも、行動でも


こーくんに負けないくらい
胸に溢れる、この『好き』の気持ちを


こーくんにちゃんと伝えられるように



頑張りたい



「…」


からかい半分で放った言葉に
私が頷くとは露ほども思っていなかった様子のこーくんは、珍しくうろたえてる


「……えっと、じゃあ、どうぞ」


落ち着かなそうに視線をさ迷わせた後
こそばゆそうしながら、私に身体を向ける
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