生きていくんだ。それでいいんだ。
「やはり・・違法捜査をしているんですね?」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・ふぅ・・分かった。
言葉で説明するより実際に体験してもらったほうがいい。
その紙に印鑑を押すか否か、
ウチの一員となって・・一緒に捜査をして判断してください。」
「・・・・・・・・。」
どうやらここは・・僕の想像を超える何かが待っている場所のようだ・・。
“被疑者検挙率100%”の秘密・・。
印鑑と誓約書を鞄にしまうと、僕のデスクやこの部屋の備品などを一通り案内して貰った。
「梅田課長、それで皆さんはどちらに?」
「今朝早く、路上で男性の刺殺体が発見されました。皆、現場検証へ行っています。」
「・・僕も合流していいですか?」
「・・・・・・・。」
「・・・?」
「いや、君には3丁目にある“元気飯”という名前の定食屋に行って欲しい。」
「定食屋??朝ご飯なら家で食べましたけど・・。」
「【豊川テツ】さんを呼んできて下さい。ウチに欠かすことの出来ない捜査員です。」
「今その定食屋にいるんですか?」
「きっと・・今頃カツ丼を食べてるはずです。」
朝からカツ丼・・・?
こってりしたそのメニューに、
恰幅の良い男性像が思い浮かぶ。
「分かりました。
他に何か豊川さんの特徴は・・?」
「行けば一発で分かると思います。
その店で食事をしている人の中で、
一番“病人っぽい”というか・・
一番“貧弱そうな”男がテッちゃんです。」
「分かりました。すぐに向かいます。」
先ほど浮かんだ人間像と真逆の特徴を言われ、小首を傾げながら定食屋へと走った。