生きていくんだ。それでいいんだ。
「騙されたっていいんです。
信じた瞬間に裏切られてもいいんです。
君は一人で仕事をしているわけではありません。
ここは刑事“課”ですから。
今回のように、例えミスを犯しても仲間が必ずフォローします。
絶対に間違ったままの答案用紙は提出させません。
年齢、性別、性格。
特徴は人それぞれですが、ここには自慢の優秀な部下達がたくさんいますから。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「だから恐れることはありません。
初日に私へ話してくれたように、
君はその力を使って、被害者の為に働いてくれれば良いんです。
貴重な戦力が1人増えて、
私は嬉しいですよ。」
「・・・ありがとうございます。」
他に誰もいない、
梅田課長と2人きりの部屋。
煎れてくれたお茶も、
掛けてくれた言葉も、
向けてくれた視線も、
どれも今の僕には温かった。
だけどその分・・
あの人の“冷たさ”が・・
より際立ってしまう。