生きていくんだ。それでいいんだ。


「騙されたっていいんです。
信じた瞬間に裏切られてもいいんです。

君は一人で仕事をしているわけではありません。

ここは刑事“課”ですから。

今回のように、例えミスを犯しても仲間が必ずフォローします。

絶対に間違ったままの答案用紙は提出させません。


年齢、性別、性格。

特徴は人それぞれですが、ここには自慢の優秀な部下達がたくさんいますから。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「だから恐れることはありません。

初日に私へ話してくれたように、

君はその力を使って、被害者の為に働いてくれれば良いんです。

貴重な戦力が1人増えて、
私は嬉しいですよ。」


「・・・ありがとうございます。」



他に誰もいない、
梅田課長と2人きりの部屋。


煎れてくれたお茶も、
掛けてくれた言葉も、
向けてくれた視線も、

どれも今の僕には温かった。



だけどその分・・

あの人の“冷たさ”が・・
より際立ってしまう。


< 106 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop