生きていくんだ。それでいいんだ。


「・・・星野君ですか?」


「!?」


こちらに振り返る事もなく・・気配で僕だと感じ取ったんだろうか・・?


「何か御用ですか?」


「あ、いえ・・。
まだ帰ってなかったんですね。」


「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「いつも・・事件が解決したら、
そうされてるんですか・・?」


「はい。」


微動だにしない後ろ姿との会話が続く。


一体豊川さんは何を見てるんだろう・・?

一歩、また一歩とそこに近づく。



「門田マリと話してきたそうですね。
長くんから聞きました。」


「はい・・。すみません、豊川さんも長くんも止めてくれたのに・・。」


「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」


「何を見てるんですか・・?」


「いえ、特に何も。
この街の風景を見ていただけです。」


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