生きていくんだ。それでいいんだ。
「君の言葉で泣き崩れた後、
彼女は最後に何を言い残しましたか?」
「『ありがとうございます』
と・・言ってくれました。」
「みんなそう言います。」
「・・・・・・・・。」
「被害者の方々は、みんな最後に私へそう言って天に召されます。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「星野君。」
「はい・・。」
「お互い・・厄介な力を持ってしまいましたね。」
“綺麗事抜かしてるんじゃねぇぞ星野”
“事件が解決した後だけは、
誰も喫煙所には近づくなという暗黙の了解がこの課にはあります”
“ご安心ください。私は今まで一度たりとも彼・彼女らの事を受け止めた事はありません”
“テッちゃんも・・嘘をつきます”
豊川さんが帰宅の途につくまで、
僕もずっと横に立ち続けた。
これ以降、特に何か言う事はなかったけど、この空間はどこか・・
僕が求めていたもののような気がした。