生きていくんだ。それでいいんだ。


「起立!!」


関本主任と一緒に部屋へ入ると、既に着席していた他の皆さんが立ち上がった。


一礼した後に改めて皆さんへ自己紹介を済まして、一番後ろの空いていた席に座る。





「被害者は池田マスオ 58歳。

死因は腹部を刺されたことによる出血死。

恐らく包丁のような物と思われますが、
凶器の特定を急ぎます。」


「現場となった路地に防犯カメラはありませんでした。

範囲を広げて確認していきます。」





まだ通報があって数時間しか経っていないのに、

そこには刑事ドラマそのままに、ホワイトボードに写真や情報が記載されていく。


さすが被疑者検挙率100%の部署だけあって、初動の手際の良さは予想以上だった。




「よし!じゃあ被害者の交友関係を洗っていくぞ。

家族構成、職場の同僚、ご近所さん。

各自、手分けして明日までに聞き込めるだけ聞き込んで容疑者候補を出してくぞ。」


「「「「「はい!」」」」」



“ガチャリ”


・・・・あ。


関本主任の号令で第1回捜査会議が終わろうとしたところに・・豊川さんが入ってきた。


相変わらず、ちょっと足を掛けたら簡単に転びそうな足取りだ。



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