生きていくんだ。それでいいんだ。
目の前で繰り広げられるやり取りに全くついていけないまま、
あっという間に空っぽになった会議室。
呆気にとられた僕と・・ホワイトボードを書き直す関本主任だけが残った。
「あ、そういえば星野!まだ“誓約書”に印鑑してないらしいな。」
「あの関本主任・・そんな事より、
どういうことですか?
“戸田シゲル”という男が本件の被疑者とどうして断定したんですか・・?」
「誓約書に捺印されない以上、
“テツさんがそう言ったから”
・・としか答えられないな。
大丈夫だ。俺も最初はお前みたいに“違法捜査”を疑って拒んだけど、
ここは一切のコンプライアンス違反は犯していない。」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・って分かった分かった。
ちゃんと一から説明する。
だからその疑惑の視線はやめてくれ。」
「すみません・・・。」
「その代わり!後でちゃんと印鑑押せよ。」