生きていくんだ。それでいいんだ。
3
――――――
“ガチャリ”
「・・・・?」
「・・・・・・・・。」
「星野君でしたか・・ゴホッゴホッ!」
「・・・・・・・・・・・。」
「その様子だと・・私の話を聞いたんですか?」
「豊川さんには今・・
何が視えてるんですか・・?」
「君の斜め後ろに一人・・。
私の左隣に一人・・・。
2人共警察官です。
志半ばに殉職して、
ずっとここにいるようです。」
「いつからそんな状態に・・?」
「どうでしょうね・・・。
正確には覚えていませんが、
“物心ついた時から”です。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「ゴホッ!ゴホッ!
・・・君も吸いますか?」
「いえ、大丈夫です。」
「・・・・・・・・・・。」
「死んだ人間が全員視えるんですか?」
「なかなか説明するのが難しいですが、想像を絶する光景です。
街を歩く度に、至る所に血まみれの人や顔が半分潰れている人など、
あらゆる死者が立っているんですから。
いつも、“ゾンビ映画に自分一人だけが紛れ込んだ気分”・・と他の方には伝えています。」
「・・・・・・・・・。」