生きていくんだ。それでいいんだ。



―――――― 


“ガチャリ”



「・・・・?」


「・・・・・・・・。」


「星野君でしたか・・ゴホッゴホッ!」


「・・・・・・・・・・・。」


「その様子だと・・私の話を聞いたんですか?」


「豊川さんには今・・
何が視えてるんですか・・?」


「君の斜め後ろに一人・・。
私の左隣に一人・・・。

2人共警察官です。

志半ばに殉職して、
ずっとここにいるようです。」


「いつからそんな状態に・・?」


「どうでしょうね・・・。

正確には覚えていませんが、
“物心ついた時から”です。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「ゴホッ!ゴホッ!
・・・君も吸いますか?」


「いえ、大丈夫です。」


「・・・・・・・・・・。」



「死んだ人間が全員視えるんですか?」


「なかなか説明するのが難しいですが、想像を絶する光景です。

街を歩く度に、至る所に血まみれの人や顔が半分潰れている人など、

あらゆる死者が立っているんですから。

いつも、“ゾンビ映画に自分一人だけが紛れ込んだ気分”・・と他の方には伝えています。」


「・・・・・・・・・。」

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