生きていくんだ。それでいいんだ。
今日は春らしいポカポカ陽気。
夜になると風が出て涼しくはなったけど・・決して“寒い”体感では無い。
「・・・匂うね。」
「でしょ?
死体を温めて、死亡推定時刻をズラそうと企んだ可能性があります。
・・・・まぁそんな小細工、
オレには通用しないっすけどねぇ~!」
“ヒュー!”と再び軽快なステップで作業に戻る長くん。
「あ!死体はもう調べ終わったので、
好きに見て大丈夫っすよ!」
・・・そろそろお顔でも拝んでおくか。
視線の先・・部屋の隅で、人一人分のブルーシートが覆いかぶせられていた。
「被害者の名前は【門田 マリ】27歳。
保険証から勤め先も分かったぞ。」
財布の他、遺留品を確認していた関本主任とブルーシートに近づく。
「何十年と経験しても、やっぱりこればっかりは慣れないんだよなぁ。」
二人揃って合掌した後に、
ゆっくりとシートを外し・・・
・・・・・え・・・・?