生きていくんだ。それでいいんだ。
――――――
どこにいる・・?
1階まで降りると、
エントランスを抜けて外に出る。
野次馬の数は更に増えている様子だった。
「どこだ・・?
姿を見せてくれ・・!」
辺りを見回し・・・・・・・・
“次は肩の力を抜いて、心を無にして被害者の情念を感じ取ってみてください。”
豊川さんの言葉が頭にフラッシュバックする。
そうだ・・これだとまた今までの二の舞だ。
“視よう”とするからダメなんだ・・!
「・・・・・・・・・・・
・・・フ~~~~~・・・。」
目を閉じてゆっくりと息を吐く。
心拍数を・・心を落ち着ける。
小学生の時、何気なく冷蔵庫から牛乳を取り出そうとしたあの時のような・・
派出所で、下校する子供達を見守っていたあの時のような・・
豊川さんと出会ったあの食堂の時のような・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。」
“自然体”と化した瞳をゆっくりと開ける。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・