生きていくんだ。それでいいんだ。


「・・門田マリさんですか・・?」


『・・・・はい・・・・。』


「セイズ署刑事課の星野と申します。」


『・・・・・・・。』


「この度はとんだ事で・・お察しします。」


『ありがとうございます・・。』


「ここだと人目に付くので、
場所を変えてもいいですか?」


『はい。』



きっと傍から見たら、

何も無い“空気”に対して警察手帳を見せて独り言を喋ってる、痛い警察官だろうな・・。


姿を見せてくれた門田さんを伴って、野次馬がいない近くの公園まで移動する。




「ここなら大丈夫でしょう。」


『・・・・・・・。』


「何があったか、お話頂けますか?」


俯き加減で僕の後ろをついてきた門田さんの表情が更に暗くなった。

ギュッと握られたその両拳は震えている・・。



『鍵を・・かけ忘れたんです。』


「・・・・?」


『だから・・だから入ってきたんです!!』


「!?」


『気をつけてたのに・・。

絶対に・・鍵だけは忘れちゃいけなかったのに!!』


「ちょ、ちょっと落ち着きましょう。」


先ほどの絞り出すような声から一転、俯いたその顔が上がるとボリュームが上がった。


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