生きていくんだ。それでいいんだ。
でも・・・・・・
「マリ。」
「!!?」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・なんで・・いるの・・?」
「“東京に出張だ”なんて心配過ぎて頭おかしくなるよ。
大丈夫。仕事の邪魔はしない。
マリが歌舞伎町で変なホストに引っ掛からないように俺が一日ちゃんと守ってやるから。」
「そうじゃなくて・・。
どうしてここのビジネスホテルに泊まるって知ってたの・・?」
「マリがいつどこにいても俺に助けを呼べるように、
アプリインストールしといてやったから。」
「アプリ・・?
・・・・・・・・・!?」
「それ、GPSの位置情報が俺のスマホでリアルタイムに確認できる、
スゲー良いアプリなんだよ。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「大丈夫だよマリ。
お前がどこにいようと、
何かあったら俺が守ってやるから。」
「・・・イヤ・・・イヤッ・・
・・・・・イヤッ!!!!」
私が眠っている間に、スマホにインストールされていたアプリ。
それを見て、脳内がようやく正常に戻りました。
これ以上この人と一緒にいたら、
取り返しのつかない事になる・・。
この人とこれ以上一緒にいても、
私に“幸せ”は訪れない・・。
「お願いじまず・・。
私と別れてぐだざい・・。
私を・・自由にじでぐだざい・・。」
嗚咽を交えながら必死にカレにそう言ったのは、
2年7ヶ月記念日を一週間前に控えた・・寒い夜でした。