生きていくんだ。それでいいんだ。
「だが悪い報せばっかりじゃないぞ。
星野が昨夜、門田マリさんとの接触に成功した!!」
“おぉ!!”という歓声と共に、
皆が小さく拍手してくれた。
少し恥ずかしかったけど、“ありがとうございます”と小さく応えながら席を立つ。
「はい。被疑者の名前は漆原ワタル。
被害者の元 交際相手です。
門田さんの証言を纏めると・・。」
昨夜あの公園で門田さんが告白してくれた内容を皆へも共有する。
どれだけ苦しい日々を過ごしてきただろうか・・。
どれだけ怖い思いをしただろうか・・。
彼女の気持ちを代弁するかのように少し熱が入ってしまった。
でも・・皆それを真剣な眼差しで聞いてくれた。
「・・・以上です。」
「よし!それでは皆、
本日より漆原ワタルについて洗うぞ。
・・但し!!
先ほどの長野の報告にもあったように、
物的証拠がまだ掴めていない。
その為、漆原本人への聞き込みはまだ控えろ。
殺害以前に、ストーカー行為を働いていた点からも、
恐らく奴は“警察の接触”に敏感になっているはずだ。
隠密に・・我々の存在が気付かれないように、内偵捜査へ移る。
マンション付近の防犯カメラの確認、
奴の身辺調査など、
全員で役割分担しながら捜査にあたれ!」
「「「「「はい!!」」」」」