生きていくんだ。それでいいんだ。
――――――
“ガラガラ”
「いらっしゃいませー!!」
・・・居た。
どうやらお店の奥のカウンター席、その左から二番目が豊川さんの定位置のようだ。
今日も相変わらず覇気の無い様子で、手元のカツ丼はまだ8割以上も残っている。
「おはようございます。」
「・・おはようございます。」
「豊川さん・・昨夜・・・。」
「その様子だと、視えたようですね。」
「・・・はい。」
「とても複雑な気分です。
他のみんなからは“おめでとう”と言われたかもしれませんが・・
何度も言いますが星野君にはこっちの世・・。」
「いいんです豊川さん。
こっちの世界に来れて光栄です。」
「・・・・では一応、
“ようこそ”と言っておきましょう。」