生きていくんだ。それでいいんだ。
“ブー!ブー!”
その時、右ポケットが振動した。
スマホを取り出すと・・関本主任だ。
「はい、星野です。」
<今どこにいる?>
「豊川さんと合流して、
署に戻るところです。」
<ちょうど良かった。
早く戻ってこい。>
「何かあったんですか?」
<漆原の奴・・雲隠れしやがった!!>
「!?」
<今日から奴の尾行を開始しようとしてた班からの連絡だ。
現住所のアパートに行ったところ、
もぬけの殻だったらしい。
隣人も気付かないうちに、
どこかへ引っ越したんだとよ・・。>
「・・・逃げたって事ですか?」
<捜査方針を変更する。
悠長にコソコソと内偵捜査してる場合じゃ無くなった。
早いとこ奴を見つけ出さないと・・このままだと証拠以前に身柄が確保できない。>
「すぐに戻ります・・!」
<手当たり次第、不動産や引っ越し屋をあたって、奴がどこへ逃げたか追うぞ!!>
第3章 完