生きていくんだ。それでいいんだ。
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・。」
「・・どういう・・事ですか・・?」
「“死者と話が出来るなら”
“被害者から直接話を聞けるなら”
“捜査なんてイージーモードじゃん”
と勘違いする方がたまにいます。」
「・・・・・・・・。」
「ですが、
この力を使って捜査を進める以上、
私達が戦わなければいけないのは“被疑者”ではありません。
被疑者と戦うのは、
関本主任や仲間の皆の役目です。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「私達が戦う相手は【被害者】です。
彼・彼女らは本当に正直に話しているのか?
嘘をついていないか?
何か隠していないか?
初動捜査でここを見誤ると、仲間達を間違った方向に進ませてしまいます。
だから関本主任は毎回、
【間違いないか?】と聞いてきます。
だから私は【間違いありません】と答えて、
初めて被害者の証言が採用されます。」
「いや・・しかし・・!!」
「“被害者が嘘なんかつくはずない”
ってどうして言い切れるんですか?
彼・彼女らも人間ですよ?
君も派出所勤務が長かったのなら、“喧嘩の仲裁”事案も何度か経験したでしょう?
君は、“殴られた”と訴える人の話しか聞いてこなかったんですか?
“この人は正直に話している”と判断して、“殴った”ほうの話は聞かないんですか?」
「・・・・・・・・・・・・。」