生きていくんだ。それでいいんだ。
「・・・もしもし、星野です。」
<ガハハハ!星野、安心しろ。
漆原を見つけた!!>
「え!?」
<あの野郎。夜逃げ専門の引っ越し業者に依頼して雲隠れしようとしやがった。
警察手帳見せて“捜査の為”って事情話したら、業者がすぐ居場所をゲロったよ。>
「関本主任。豊川です。」
<あ、テツさん!
今回は星野が活躍中ですよ~。>
「今どちらにいますか?」
<とりあえず、漆原の引っ越し先アパート前で張り込んでます。
まさかもう俺達が辿り着いてるなんて、
お釈迦様でも気付くめぇ。>
「お願いがあります。」
<なんですか?>
「今すぐ漆原を任意で引っ張ってきてください。」
<・・・・は!?>
「門田マリさんが死んだ事と、彼女について話を聞きたい旨を伝えれば、
きっと彼は応じてくれます。」
<ちょ、ちょっと待ったテツさん。
任意同行なら簡単に出来ますが、
まだ物的証拠が見つかってない。
すぐに釈放になっちまうよ。>