生きていくんだ。それでいいんだ。


“ヒュー!”とウキウキ気分になった長くんが冷凍庫をガラガラと開けて・・

【凶器】を取りだした。


「実際に使われた包丁とは、
ちょいと種類が違いますが、

一般的に使われてる家庭用包丁だったのでサイズ感はこれでも遜色ないっす。」


「すごい・・・。
ホントに固まってるね・・。」


「どうしてもピンと立たせるのはムズかったけど、

こんな感じで刃の部分はしっかり出てるので十分刺さりますよ。」


「どうやって作ったの?」


「底が深い長方形型の容器があれば何でも大丈夫っす。

今回は“タッパ”を使いました。

テツさんがカツ丼入れるのに持ち歩いてるやつより倍以上の大きさっすけどね。」



“やっぱ冷たっ”と漏らした長くんが、
それを机の上に置いた。


目の前には・・四角柱の氷のブロック。

その真ん中に、“柄”の部分が埋まり、

“刃”の部分だけが出ている包丁が少し斜めに刺さっていた。

< 96 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop