生きていくんだ。それでいいんだ。
「水をたっぷりタッパの中に流し込んで、
柄を下にした包丁入れて、
刃先は冷凍室内に立てかけておいて・・。」
「固まったら縁の部分に水を流し込んで、少しだけ溶かしてタッパから取り外す・・か。」
「いやぁ~~~ちょっと今回は焦ったんすよねぇ。」
「・・・・?」
「だって、指紋はともかく、
髪の毛・唾液・その他もろもろ。
ホントに“塵一つ無い”ってぐらい、第三者の痕跡が見つけられなかったんすから。
だから【最初から第三者なんてあの部屋にはいなかった】って結論になって良かったっす。」
「そうだね・・。
凶器の包丁についても、
門田さん本人の指紋が無かったからどうなんだろうって疑問だったけど、
その氷の仕掛けを使えば・・
柄の部分に触れなくても、
自分のお腹に刺せる・・。」
「あれっすかね。やっぱ【自殺】だとは思われたくなかったんすかね。
だから自分で部屋中を荒らして、氷の仕掛けを隠滅する為に暖房ガンガンにかけといて、
おまけにT-fal置いとく小細工も入れて。
・・・いやぁ~~怖い怖い。」