リボン~もう1度君に、プロポーズ~
「まあ、休みの日は寝てるか買い物に行ってるかのどっちかなんだけど」

バシャバシャと顔を洗うと、ハンカチで濡れた顔をふいた。

少しは酔い醒ましになったかな。

「さて、戻ろうかな」

そう呟いてトイレを後にすると、
「田渕さん、大丈夫?」

周晴さんに声をかけられた。

「えっ…ああ、はい…大丈夫です…」

私が答えると、
「よかった…」

周晴さんはホッとしたと言うように息を吐いた。

「あの…乙國さんもトイレですか?」

そう聞いた私に、
「俺は田渕さんがトイレに行くところを見たから大丈夫かなって思って。

田渕さんはお酒が得意じゃないし、もしかしたら…ってこともあるから」

周晴さんは答えた。

「ああ、そうですか…。

もう大丈夫ですから、戻りましょう」

そう言った私の腕を周晴さんはつかんだ。
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