リボン~もう1度君に、プロポーズ~
「ありがとう…」

兄夫婦が味方になってくれたおかげで、私は周晴さんとの間にできた命を失わなくて済んだ。

もし兄夫婦が私の味方になってくれなかったら、この子はいなくなっていたかも知れない。

そう思ったら、私の目から涙が出てきた。

「もう、泣かないの」

雪穂さんが笑って、私を抱きしめてきた。

「だって…」

「みんなで笑って、この子を迎えようって決めたじゃんか。

生まれてきたことを祝福しようって、みんなで決めたじゃんか」

お兄ちゃんも笑って、私を抱きしめてきた。

兄夫婦に両側から抱きしめられ――挟まれていると言った方が正しいかも知れない――ながら、私も泣きながら笑った。

「あっ、そう言えば…」

お兄ちゃんが思い出したと言う顔をして、私から離れた。
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