リボン~もう1度君に、プロポーズ~
「えっ…?」

どうして、周晴さんがあの子のことを知っているの?

それに父親って、何?

「すまない、いとこに頼んで希里恵の今までのことを調べさせてもらったんだ…」

周晴さんは呟くように言った。

「し、調べたって…」

雪穂さんは信じられないと言うように周晴さんを見つめた。

「君が誰とも結婚をせずに誰ともつきあわないで子供を産んだことを知った。

大晴は、俺の子なんだろう?」

答えを急かすように私を見つめてくる息子とよく似たその瞳に、何も言えなかった。

「――あんたなあ…」

その声が聞こえたので視線を向けると、
「風斗…」

お兄ちゃんがいた。

「あんたなあ、妹の思いをムダにするつもりなのかよ!?」

お兄ちゃんは叫ぶように言うと、周晴さんの胸ぐらをつかんだ。
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