リボン~もう1度君に、プロポーズ~
時計に視線を向けると、もうそんな時間だった。

「あの…俺も一緒に迎えに行ってもいいでしょうか?」

周晴さんが声をかけてきた。

私はお兄ちゃんの方に視線を向けた。

「いいよ、行ってきて。

自分の息子に会いたいんだろう?」

そう言ったお兄ちゃんに、
「いいんですか?」

周晴さんが聞き返した。

「迎えに行ってもいいかどうかと聞いてきたのは、あんたの方だろ」

お兄ちゃんはプイッと、周晴さんから目をそらした。

そんなお兄ちゃんに、雪穂さんは笑いをこらえていた。

「ほら、迎えに行きなさい。

乙國さんがよろしかったらですけど、夕飯はごちそうになりますか?」

そう聞いてきた雪穂さんに、
「えっ、いいんですか?」

周晴さんは驚いた様子だった。
< 91 / 122 >

この作品をシェア

pagetop