リボン~もう1度君に、プロポーズ~
「はい、どちら様でしょうか?」

インターホンから乙國さんの声が聞こえた。

「俺です、周晴です」

周晴さんが声をかけると、
「わかった、すぐ開けるね」

乙國さんはそう言った。

すぐにガチャッとドアが開いた。

「えっ…?」

私の顔を見た乙國さんは驚いた様子だった。

「田渕、さん…?」

まるで幽霊を見たように呟いた乙國さんに、
「お久しぶりです、社長」

私はペコリと頭を下げた。

「えっ…な、何で…?

しゅ、周晴、何で田渕さんが…?」

乙國さんは信じられないと言った様子で周晴さんに視線を向けた。

「お父さん、話がしたいので家に入ってもいいですか?」

そう言った周晴さんに、
「ど、どうぞ…」

乙國さんは家の中に入るようにと促した。
< 96 / 122 >

この作品をシェア

pagetop