リボン~もう1度君に、プロポーズ~
「ですが…取引先の会社の社員として働いていた希里恵と再会して、彼女に5年前のことを聞きました」

周晴さんは乙國さんを見つめると、
「お父さん…あなたは会社が危ないから俺が結婚をするからと言って、希里恵に自分から身を引くようにと言いましたね?」
と、言った。

「――ッ…」

乙國さんは何も言い返せない様子だった。

「どうして、俺たちにそんなウソをついたんですか?

俺には他に好きな男ができた、希里恵には会社が危ないとウソをついて、どうして俺たちを別れさせたんですか?」

「――そ、それは…」

「お父さん、俺は今度こそ希里恵と一緒になりたいと思っています。

例えお父さんが反対したとしても、俺は希里恵と結婚します。

俺の一生をかけて、希里恵を幸せにしたいんです」

乙國さんはソファーから立ちあがった。
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