桜が散ったら、君に99回目のキスを。
「かこちゃんありがとうね、連絡くれて」
お母さんはかこに礼を言う。
「いえ、私本当に何もしてませんから」
「そんなことないでしょう。荷物もありがとう」
かこは照れたように笑ってあたまをかいた。
たまたま自分のも忘れてただけだから、と言ったけれど、かこがいなかったらこれからまた体育館に戻らなきゃいけなかったから本当に助かった。
私ももう一度ありがとうと言い添える。
かこは恐縮したように肩を縮めながら、「連絡、絶対だからね」と保健室をあとにした。
その後ろ姿を見送りながらお母さんが口を開く。
「なんでこんな男子校の球技大会なんかに…」
ため息と共に吐き出された言葉は、私の心に暗い影を落とす。
反論しないが吉。
お母さんには敵わない。
そう思ってはいるけれど、反発心がむくむくと存在を主張してくる。
「西高がガラ悪いの、円依も知ってるでしょう」
お母さんは私の荷物をまとめながら言う。
私は黙って白いシーツに視線を落とした。
お母さんはかこに礼を言う。
「いえ、私本当に何もしてませんから」
「そんなことないでしょう。荷物もありがとう」
かこは照れたように笑ってあたまをかいた。
たまたま自分のも忘れてただけだから、と言ったけれど、かこがいなかったらこれからまた体育館に戻らなきゃいけなかったから本当に助かった。
私ももう一度ありがとうと言い添える。
かこは恐縮したように肩を縮めながら、「連絡、絶対だからね」と保健室をあとにした。
その後ろ姿を見送りながらお母さんが口を開く。
「なんでこんな男子校の球技大会なんかに…」
ため息と共に吐き出された言葉は、私の心に暗い影を落とす。
反論しないが吉。
お母さんには敵わない。
そう思ってはいるけれど、反発心がむくむくと存在を主張してくる。
「西高がガラ悪いの、円依も知ってるでしょう」
お母さんは私の荷物をまとめながら言う。
私は黙って白いシーツに視線を落とした。