やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
『莉緒』
何度も呼ばれた。その声で。市橋から、莉緒と名前を呼ばれるようになった時の喜びは今でも心がざわざわとなるほどだ。そして何度も、何度も莉緒と呼ばれるたびに、近くなれるような気がして、高辻に必要とされているような気がしてうれしかった。

大好きだった。
愛してた。

大人になって初めての恋。

莉緒だって本気の恋だった。

「莉緒には本当に感謝してる。」
「・・・」
「莉緒」
高辻が莉緒の方を見る。
莉緒はあえて目を合わさない。
「離婚が成立しそうなんだ。協議離婚で、今月中には結果がでる。おおよそ先方も認めてくれているんだ。」
高辻の言葉に莉緒は思わず顔をあげた。
< 101 / 413 >

この作品をシェア

pagetop