やっぱりあなたと ～クールな上司は強がりな部下を溺愛する～

「私も探します。どんな子ですか？」
莉緒は立ち上がる。
「いや。大丈夫だ。俺が探すから。」
「聞いたからには心配で落ち着きません。写真ありませんか？」
莉緒の言葉に高辻は少しためらってから自分の携帯の中の画像フォルダを見せた。

そこにはたくさんの・・・家族写真がおさめられていた。


あー。これが現実だ。これが・・・本当なんだ。

写真の中の笑顔の高辻と息子、そして奥さんの姿に、莉緒は揺れていた心がピタリと止まったように思った。

高辻は自宅の場所を莉緒に伝えた。近くまでタクシーで二人は向かう。
その車中も、高辻は明らかに動揺を見せて、窓の外を不安げに見つめていた。

タクシーが高辻の自宅の近所に着くと手分けして二人は近所を探し始めた。