やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
莉緒の胸の中にすっぽりとおさまる男の子。
小さな小さな男の子。

この子を傷つけたのも、こんなに追い詰めたのも、原因は自分だ。

その痛みに莉緒は息苦しささえ感じた。

莉緒は体を離して、男の子に自分の着ていたカーディガンを着せた。

「寒くない?どこもけがしてない?」
莉緒の質問に男の子は涙を拭いながら頷く。
「お父さんに電話するね。お父さん、心配して真君を探してるの。」
「パパ?」
莉緒の話に男の子の顔が一瞬で明るくなる。
「うん。」
「お姉ちゃん誰?」
「・・・パパのお仕事の友達。」
「いいな・・・」
男の子はそう言ってうつむいた。
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