やっぱりあなたと ～クールな上司は強がりな部下を溺愛する～

「パパ・・・好き？」
莉緒は自分でもなんて滑稽な質問をしているんだろうかと笑いたくなるほどあきれた。
「うん！」
そんな莉緒の質問に男の子は大きく頷く。

「でも・・・」
「でも？」
「パパは遠くに行っちゃうんだ。きっと・・・僕がいいこじゃないから・・・パパはいっちゃうんだ・・・」
莉緒は泣きそうになるのを必死で我慢した。

「パパは僕が嫌いなんだ・・・僕が悪い子だから・・・・」
うつむいた男の子の瞳から大粒の涙があふれる。
その涙の美しさに、莉緒はまぶしすぎて目を背けそうになった。

でも、この涙の原因は自分だ。
こんなに小さな子をこんなに傷つけて・・・。

莉緒はもう一度その男の子を抱きしめた。