やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「では、今後ともよろしくお願いいたします。」
和哉と莉緒は現場監督に挨拶をして、現場から社に一緒に戻ることになった。

「気をつけろよ」
「はい」
現場を出るまでは和哉は莉緒の足元に気を付けてくれていた。

「車じゃないんだ。電車で戻ろう。」
「はい」
二人は駅までの道を歩き始めた。

『俺はここで待ってる』
和哉の後ろ姿を見ながら、和哉の言葉を思いだす莉緒。
その大きな背中はまだ近いようで遠い。

でも、この距離を保たなければならないような気もしていた。

上司と部下。
簡単な関係じゃない。
< 188 / 413 >

この作品をシェア

pagetop