やっぱりあなたと ～クールな上司は強がりな部下を溺愛する～

「さすがだな」
満足そうに和哉は店内を見渡していた。

莉緒がセレクトしたのは会社の近くの洋食店。
かなりの老舗で老夫婦が営んでいるこの洋食店にファンは多かった。

「お待ちください」
莉緒は和哉と古屋を席に座らせると自ら厨房の方へ近付いた。

「お久しぶりです」
「あらー莉緒ちゃん」
厨房の中にいた老夫婦が二人で莉緒を見て笑顔になる。
「繁盛してますね」
「おかげざまで」
店内は相席になるほど混んでいる。
この店のある場所は飲食店や大きなチェーン店も多く、かなりの激戦区。その中で昼食時にかなり混雑している店は少ない。
「莉緒ちゃん、いつものでいい？」
「お願いします。」
「はいはい。」
莉緒は厨房に挨拶を済ませると自ら水を和哉と古屋に運んだ。