やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
莉緒が和哉の言葉の続きを聞き返す。

「いや。違うな。」
「?」
「本当はすぐに抱きしめたかった。お疲れって抱きしめたかった。触れたかった。メールや電話じゃ遠すぎて。俺が耐えられなかったんだ。」
和哉は言い終わらないうちに照れ臭くて莉緒を抱きしめる手に力を込めた。

それは自分の顔が真っ赤だと気づいて見られたくなかったからだ。
「30歳のいい歳の男がこんなに余裕ないんだ。恥ずかしいだろ?」
「・・・」
おどけて見せる和哉。

莉緒はそんな和哉の背中に両手をまわして強く強く抱きしめ返した。
そして和哉の胸に顔をギュッと埋めた。

「ばかっ窒息するだろ」
少しの距離もいらない。
莉緒は1ミリの距離も作りたくないほどに、和哉への気持ちと想いがあふれてぶつけたくなった。
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