やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
高辻の話を聞いても、和哉は莉緒への気持ちを抑えるどころか、ひにひに膨らんで仕方なかった。
市橋莉緒という人を知れば知るほど、自分を造る細胞ひとつひとつが莉緒を求めているかのように、莉緒が欲しくてたまらなかった。

嬉しそうな顔を見ればもっと莉緒を喜ばせたくなる。
悲しそうな顔を見ればすぐに抱きしめたくなる。

楽しそうな顔を見ればずっとその時間が続くように願う。

今まで、こんなにも誰かを自分以上に大切に思うことはあっただろうか・・・

きっとなかった。

だからこんなにも戸惑う。

どうしたらいいかわからないくらい、冷静でいれなくなるほど自分の気持ちがあふれ出す。
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